
今までで最高出費18,700円! iFi-Audio「ZEN-Air-DAC」を購入しました。オーディオ初心者の書くZEN Air DAC レビューです。
2,000円の小さなDAC「MUSE HIFI M1」でも明らかに音質が変わったことで「もっと高いDACにしたらどうなるのだろう?」と思い10,000円程度の製品を探しました。
結果的に予算10,000円を超えてしまいましたが後悔はしていません。確実に価格に見合っただけの音質アップを得られたからです。
仕事に疲れ果てた夜中に好きな音楽をいい音で聴くのは小確幸(小さいけど、確かな幸福 by 村上春樹)ですね。
Androidスマホ(ASUS ROG Phone 6)とRoland MA-10A(ステレオモニタースピーカー)に接続して使っています。
この記事では、購入までに悩んだ点や使い方で迷ったこと、電源の取り方、機器との接続方法などを記述しています。
「ZEN Air DAC」と競合製品の違いとは?- 自分に合ったDACの選び方
目に付いたのは「Fiio Q11」。
とても魅力的な製品なのですが、わたしにとって、この製品のデメリットは内蔵バッテリー型であること。
リチウムイオン電池なのでバッテリー劣化が製品寿命の制約になってしまいます。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーや半固体電池だったら寿命が長くていいんですけどね。
そう考えると、バスパワーで使えて外部入電もできるタイプが良いと気がつきました。
そんなときに仕事でお世話になっている方から「 iFi-Audioは音質めっちゃいいよ」という情報がやってきました。
この時点で iFi-Audioの製品の中から選ぶことに。
iFi-Audioのラインナップでも予算的に悩んでしまう製品がいくつもあるんですよね。いやー、本当に悩んだ。
基本は家で使い、場合によってはポータブル運用も考える、といった用途です。
10,000円台で購入できるiFi-Audio製品は以下の通り。ZEN DACは比較のために入れました。
製品 | 価格 | DAC | 出力 | 入力 | 出力インピーダンス | 消費電力 | 電源方式 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ZEN Air DAC | 18,700円 | Burr Brown | Audio RCA(アンバランス)、6.3mm(アンバランス) | USB2.0B メス | <1Ω | 0.5W~ 2.5W | バスパワー、DC5V(2.1mm/5.5mm) |
Uno | 14,300 | ESS | Audio RCA(アンバランス)、3.5mmヘッドフォン | USB-C | ≦1Ω | 0.8W~ 1.5W | USBバスパワー(5V/0.5A) |
GO link | 12,100 | ESS | 3.5mm ヘッドフォン | USB-C | ≦0.4Ω | 0.2W~1W | USBバスパワー(5V/0.5A) |
ZEN DAC | 33,000円 | Burr Brown | Audio RCA(アンバランス)、6.3mm(アンバランス) | USB2.0B メス | <1Ω | 0.5W~ 2.5W | バスパワー、DC5V(2.1mm/5.5mm) |
用途が違うものを比べて意味があるのか?という疑問は置いてといて。
UnoとGO linkはお手頃価格ですが、もう少し出せばZEN DACの価格を抑えたバージョンであるZEN Air DACが購入できてしまいます。
ZEN Air DACだとZEN Air CANなどで拡張性がある点も大きいですね。
DACチップの違い Burr BrownとESS
- DACとは?
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DACとは、Digital-to-Analog Converterの略称であり、デジタル信号をアナログ信号に変換するための装置や回路のことを指します。デジタル信号は0と1の2進数で表される信号ですが、これをアナログ信号に変換することで音声や映像などのアナログ信号を扱う機器で再生することができます。旭化成やESS、Burr Brown、Cirrus Logic、ロームなどが主要メーカー。
選ぶときに一番の決め手はDACチップの違い。上記4モデルだと、Burr BrownとESSが採用されていますね。
Burr Brownは据え置き用のDACなのでポータブル製品には搭載できないとのこと。
デジタルのオーディオ信号をアナログに変換する部分なので、「音作りに関しては一番重要なパーツなのでは?」と思いました。
DACチップでのデジタル→アナログ変換には様々な方法があり、それによって音に違いが出るのが一般認識だそうです。
Burr BrownとESSの基本情報はこちら。
e☆イヤホンTVのYouTube(iFi audio特集)で両社のDACチップの違いが述べられていたのでまとめてみます。
iFi audioブランド代理店スタッフ(髪の毛にすごい勢いがある!)の方が、とてもマニアックにお話されていてとても参考になります。
- ESSや旭化成、Cirrus Logicはデルタシグマ変換を使っている。コストを下げつつ、音をよくできる
- Burr Brownは、PCMの16bit中の上位6bitだけ増幅のまま変換しないでアナログ化する。唯一のトゥルーネイティブとiFi audioは言っている。純粋にアナログ化するのがBurr Brownの良いところ
- 余計なもの、別の方式にデジタル変換しないで純粋にアナログ化するのがBurr BrownのDACチップ
- 愚直に元々の実装理論にこだわって作っているのがBurr BrownのDACチップ
- ESSのチップはジッターの削減・除去機能が強い。デジタル音源でのタイミングのズレが少ない
iFi audio Vincent Luke社長さんのインタビュー内にBurr Brownへの言及があったので引用します。
iFi audioが伝統的に多くの製品でバーブラウン製のマルチビットのDACチップを使い続けているのも、「アナログな音」を志向しているからです。たしかにバーブラウンのチップは測定値的にはそれほど優れているわけではありませんが、「音楽の再現」という点での素晴らしさを私たちは知っています。
iFi audio CEO、Vincent Luke氏インタビュー
DACチップの違いで音質を確かめられる耳を持ってはいませんが、ストーリーが気に入ったのでBurr BrownのDACを使った製品を選びました。
ナチュラルでミュージシャンが意図した音にできるだけ近い音を聴きたいなぁ、と。
「ZEN Air DAC」の付属品 – 使い始めに知っておきたいこと
この項では開封からスマホに接続するところまで記述しています。
開封してみよう!

では、開封して付属品をチェックしてみましょう。



箱に書いてあることと保証書。イーイヤホンで購入しましたのでTOPWINGの保証が受けられるみたい。



内容物は、本体、簡単な説明書とUSB-B to USB-Aケーブルです。取扱説明書は公式サイトでも確認できます。
iFi audio ZEN Air DAC説明書(クリックでPDFが開きます)
プレイヤーと接続できそうなパーツはUSB-B to USB-Aケーブルのみ。
電源アダプターやUSB-B to USB-Cケーブル、DC5521-USB-Aケーブルなどは入っていませんので別途購入となります。

スマホやPCと接続するために購入したもの
付属のUSB-B to USB-AケーブルでPCとZEN Air DACを接続することには成功!
しかし、このケーブル長さ50cmしかない上に太いので、取り回しがとても不便。
音楽はandroidスマホ(ASUS ROG Phone 6)で再生したいので「USB-B to USB-Cケーブル」が欲しい。
一応、純正品もあるのですがまあまあ高額の4,950円(IFIオーディオOTGケーブルfor USB C)。

ケーブルの素材などにこだわっていて高額になっているようです。しかし、30cm程度のケーブルに5,000円はちょっと。。。
ということで、USB-B to USB-CケーブルをAmazonで探してみました。エレコム製品が評判良かったのですが、UGREENのものを購入しました。1mで1190円でした。
「ZEN Air DAC」を使ってみた!- 実機フォトレビュー
正面の説明 オーディオフォーマットLED・POWER MATCH・アナログボリュームコントロール・シングルエンド6mmヘッドフォン出力・XBass+

正面左からオーディオフォーマットLED、POWER MATCH、アナログボリュームコントロール、シングルエンド6mmヘッドフォン出力、XBass+となっています。

- POWER MATCHとは?
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POWER MATCHはヘッドホンやイヤホンの感度に併せてのゲイン調整機能。入力感度を調節することで、駆動レベルとヘッドフォンの負荷レベルを合わせることが可能。高感度なヘッドフォンには低く設定し、駆動力が必要なヘッドフォンにはゲインを上げることができます。
インピーダンスが高いヘッドフォンやスピーカーだと音量が低くなるのでPOWER MATCHでゲインをあげる、ということですね。
インイヤーイヤフォンには使わないようにと記載あり。
インピーダンスが低いイヤホンだと抵抗が少ないため音量が大きくなる。
POWER MATCHは必要ない、音が大きくなりすぎるので注意!ということかな。

向かって右側には、シングルエンド6.3mmヘッドフォン出力、XBass+があります。
6.3mm用なので、インイヤーイヤホンなどの3.5mmの製品で使うには「3.5mm to 6.3mmアダプター」が必要になります。

こだわればもっといいものもあるのでしょうけど、ひとまず「フジパーツ 3.5mmステレオミニプラグ(オス) – 6.3mmステレオ標準プラグ(メス) 変換プラグ AC-666」を購入しました。Amazonで403円。
よくよく考えると昔買ったヘッドフォンに付属していたので買う必要がなかった。。。
背面の説明 RCA出力端子・ハイレゾマーク・USBオーディオ/電源入力端子・DC 5V電源端子
次は背面を見てみましょう。


左側は、RCA出力端子やハイレゾである証などがあります。
- RCA出力端子とは?
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RCA出力端子は、音声信号を伝送するための一般的な端子であり、赤と白の2つの端子で構成されます。アナログ信号を伝送するためのものであり、最近のオーディオ機器はデジタル接続が主流になっていますが、古い機器やアナログ接続を好むユーザーにとっては、RCA出力端子はまだ重要な役割を果たしています。
スピーカーに接続するときはこの端子でもいいみたいですね。

右側は、USBオーディオ・電源入力端子とDC 5V電源端子があります。
USBオーディオ・電源入力端子は、ZEN Air DACと音源を再生するPCと接続します。また、電源を供給を受けることもできます。
付属のUSB-B to USB-Aケーブルであれば、USB-AをPCに接続することでPCから給電して作動できます。
USB-B to USB-CケーブルでUSB-Cをスマホに接続して使う場合は、スマホからZEN Air DACに給電されます。

裏面はゴムの足止めのみ。

サイズ的にはイヤホンを丸めたくらい。
「ZEN Air DAC」のACアダプター代用に安いACアダプターを使える?- 互換性について
純正のACアダプターはめちゃくちゃ高い。ACアダプターで14,300円!
ZEN Air DACが18,700円だよ。しかし、電源はオーディオの音質にとってとても重要な要素とのこと。
ACアダプターはスイッチング電源なのでノイズが出るのは当たり前です。
ここをいかに抑えるか?というところにiFi audioは力を入れているんですね。
- スイッチング電源とは?
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スイッチング電源は、高速に入力電圧をオン・オフすることで、入力電力を最小限に抑えながら、効率的に直流電力を生成することができます。このため、小型化や高出力化が容易であり、電力変換効率も高く、省エネルギー性に優れています。スイッチング電源は、パソコンやスマートフォン、家電製品、産業用途など、広い範囲で使われています。
純正が買えないからといってPCやスマホからデジタルデータと電源を取るよりは、「安物のACアダプターでも電源を分けた方がいいかな?」と考えました。
そして、iFi audio iPower Ⅱ5Vの代替品を探してみました。
安い純正ACアダプターの代わり
いろいろ試してます!
海外では、Allo Nirvana[1]が競合製品のようです。
59ドルなので半額くらいでしょうか。
アマゾンでは、以下の2製品がiFi audio iPower Ⅱ5Vの代替品として購入されています。
モバイルバッテリーやポータブル電源からも給電できる

バスパワーだとスマホのバッテリーに負担がかかるのが少し不満。
外で使うときにACアダプターを持っていくのも現実的ではない。
モバイルバッテリーで給電できないかな?と思いやってみるとうまくいきました。


左側の写真:スマホからバスパワーでZEN Air DACに給電すると0.78Wほどスマホのバッテリを消費しています。
右側の写真:ZEN Air DACにはモバイルバッテリーから給電しているので電力消費はゼロ。デジタルデータだけが送られている状態です。
ASUS ROG Phone 6はゲーミングスマートフォンなので電池容量はとても大きいのですが、無駄が減るのはいいですね。音質が変わるようなアクションではないと思います。

ポータブル電源でも給電可能です。
おうちの中でもコンセントから遠いところで使いたい時に便利!商用電源よりもノイズが少ないかもしれませんね。
実際に、ASAGAO AS2000-JPというポータブル電源は、「全高調波歪(THD)が1.2%」となっている[2]ので、商用電源のTHD3~5%よりはノイズが少なくなりそうです。
「ZEN Air DAC」の音質
後ほど記載します
